手をつないで ~touch on my heart~

「あんた、やっぱり怖のか。」

泉が七枝の近くに寄って、声をかける。

ぎくっ!「・・・はい。」

七枝はうずくまったまま答えた。


「はぁ、そんなところにいても雷はいなくならないぞ。」

「き、気にしないでください。」


「あっそ。」

そう言って、城戸さんの気配が私の背中から消えて、ホッとした。




ホッとしたのもつかの間、また雷が落ちた。
怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ、目をつむっても耳を塞いでもこの怖さがなくなることはない。だんだん、涙まで出てきた。
小さい頃は必ずお兄ちゃんがいつも私のそばに来てくれて、大丈夫って抱きしめながら背中をぽんぽんしてくれた。
そうしてもらうと、安心していつの間にか寝ちゃって、起きた時には雷のことなんて忘れてるんだよね。
でも、独りでこの怖さを耐えられない。お兄ちゃん。




怖くて怖くて、びくびくしてたら、急に体が浮いた。
軽くパニックを起こして、バタついた。
「落とすぞ。」

上からドスの利いた声が・・・・き、城戸さん!!
しかも、私お姫様抱っこされてる;
「お、下ろしてください!」

「・・・。」

えっ;無視。
その間にも、足を少し引きずりながら泉は歩いてく
引きずっていることに気付いた七枝は

「重いので下ろしてください!!」

さっきよりも大きい声で言った。

言い終わった瞬間に下ろされた、というか落とされた。

まったくの予想外で尻もちを打った。

イタタ;

気付くとストーブのそばにいた。


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