私と殺し屋の3ヶ月

遠くから聞こえるサイレン。
これは…。

「零、警察だぞ!?」

岬の声でハッとする。
このサイレンは、紛れもない…警察のサイレンである。
しかも、音からして数が多いのが分かる。

…心愛は?

ブラッドは心愛をどこにやったんだ…?


「あぁ。どうする?」

「どうするって、逃げるに決まっているだろう!?アホかっ」


岬が俺の頭をスパーンと叩いた。

「俺を…アホだと?」

俺が岬をギロリと睨んだら、岬も俺を睨み返してきた。
コイツいきなり、何なんだ?


「あぁお前はアホだ。
好きな子一人も守ってやれないなんて…お前は大アホだ」

「岬…黙れ」

「黙りませんよ、私は」

「……」

なんなんだ?
俺は心愛を守ったじゃないか?
…離れると決めたが、それはあくまで心愛の為だ。


いや…心愛の、為なのか?


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