私と殺し屋の3ヶ月
「どけっ」
俺がブラッドをどけて、心愛をそっと抱き締めた。
…やっぱり、落ち着く。
この匂いも、抱きしめ心地も、心愛の心臓の音さえも…全てが愛おしい。
俺はどうやら、本気で惚れたみたいだ。
「心愛…」
「へぇ~…嫉妬とか、あんたもするんだ?」
ブラッドが目を細めて、俺を見た。
「嫉妬ではない。保護だ」
「保護ねぇ…って誰からだよ」
「害虫からだ」
害虫!?と、ブラッドが怒った口調で言う。
そんなブラッドはほっておいて俺は、心愛を見た。
…目が、腫れてる。
俺を不安そうに見上げている目は、どこか寂しげだ。
「おい零!
警察が追ってきたが、これからどうする?」
「え…警察?」
さっきまでしゃべらなかった心愛が、いきなりしゃべりだした。