私と殺し屋の3ヶ月

もう、走れない。

足の裏が傷だらけなのを、立ってから気付く。

…追いつかれちゃう。


最後の力を振り絞って、私は小走りに走った。

早く。
一秒でも、早くあの木にたどり着かないと…。


じょりじょりじょり

じょりじょりじょり…



ガシッと大木の幹を右手で掴んで支えにする。

ドサッ。

力尽きたように私は、大木の影に座り込んだ。


息が切れている。
ハァハァと出していた声にはっとして、咄嗟に口を手で覆う。


…そういえば、あの音が消えている。

どこかに行ったのかな?


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