私と殺し屋の3ヶ月
じょり、じょり、じょり。
暗い森の中に、刃物を研ぐ音が響き渡る。
「さてと」
口もとが真っ赤に染まった青年は、足元に転がるモノを見た。
まるで眠っているような、ソレを愛おしそうに見つめて、歓喜の溜め息を漏らす。
「…いただきます」
じょり。
研ぎ終わって鋭くなった包丁をソレに向ける。
臓器を早く食べようと、裂く部分を考えていると、青年の近くにまた足音が近付いた。
「っち…零は勘がするどいな」
青年は足元に倒れているソレを抱えて、足音から離れるように森の闇に紛れて行った。