赤ずきんっ仔
赤ずきんとオオカミ 未央
『むかーしむかし、あるところに可愛い女の子がおりました。お母さんに作ってもらった赤いずきんをいつも身に付けているので、“赤ずきんちゃん”と呼ばれていました』
『ある日赤ずきんは、おばあさんのお見舞いにいくお手伝いを頼まれました。早速赤ずきんはワインとパイの入ったカゴを提げ、おばあさんのお家へでかけました』
『おばあさんのお家へ行く途中森の中で綺麗なお花畑を見つけた赤ずきんは、おばあさんにあげようとお花を摘むことにしました。その時赤ずきんは気付かなかったのです。赤ずきんを狙うこわーいオオカミがいることを…』
『おばあさんのお家についた赤ずきんは、お見舞いのワインとパイ、それからお花畑で摘んだ綺麗な花束を渡しました。
「おばあさん、赤ずきんよ。お見舞いに来たの。具合はいかが?」
おばあさんは嗄れた声で言いました。
「赤ずきんかい?来てくれて嬉しいよ。さぁ、そこの椅子におかけ」
フサフサした毛で被われた手で赤ずきんを椅子に座らせました。
よく見ると、目はギラギラと光り、大きな口からは鋭い歯が見え隠れしています。
そう、赤ずきんの前にいるのは、おばあさんを食べ赤ずきんを狙うオオカミだったのです』