赤ずきんっ仔
『何も知らない赤ずきんは、優しくおばあさんに話しかけます。
「ねぇ、おばあさん。お花持って来たの。ほら、綺麗でしょう?」
「まぁ、本当に綺麗なこと。それより、赤ずきん。お前の可愛いお顔を私に見せておくれ」』
『赤ずきんは素直に頷き、おばあさんのそばに行きました。
その時に、おばあさんのお顔を見てびっくりしました。
「おばあさん。おばあさんのお耳は何故そんなに大きいの?」
オオカミはなるべく優しい声で言いました。
「お前の声をよ~く聞くためだよ」
赤ずきんはまた、おばあさんに質問をしました。
「おばあさんの目は何故そんなに大きいの?」
「それはね。赤ずきんの姿をよ~く見るためだよ」』
『「じゃあ、何故オオカミさんは自分の姿を偽っているの?」
赤ずきんを食べようとしていたオオカミは、予想外で核心をついた質問に戸惑いました。
そして、何も答えられなくなってしまいました。
オオカミの弱み…。
それは、本当の自分を見せられる相手がいないことでした』