Canna*


「…暇」


そう


物凄く暇


お母さんと店の
立ち番変わってから


3時間誰1人
お客様が来ない



暇すぎる


花の手入れでも
しようと立ち上がった時


「かんなちゃん!」

外から声をかけられる


…誰?


チャラチャラした感じの
男が店に入ってくる


う―ん


花を買いにきた
訳ではなさそう



「雅人と別れたって
聞いたけど

ほんと?」


まだ完全に癒えた傷
じゃないのに


痛いとこ突くな



「…別れたけど

それが?」

「付き合って!」


「は?

ていうかどなたですか」


「あ

知らない?」


「全然知らない」

「一応隣のクラス
なんだけど」


「へ―」

「へ―って!

俺は高倉咲哉

前から可愛いなぁ
って思ってて」


「ふ―ん


気持ちは嬉しいけど


まだ人と付き合えるほど
傷が癒えてないんで」


「うん


そっか…

急に告白したりしてごめんね」


そういって倉崎咲哉と
名乗ったチャラチャラした人は
残念そうに店を出ていく


雅人と別れてから5日


これで7回目の告白





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