Canna*
「さ!乗って!」
店の前の狭い道路には
黒いおしゃれな車が止めてあった
坂上遥はその車の
助手席のドアを開ける
私はどうしようか
一瞬考えたけど
きっと私が何言ったて
彼は聞かないだろうから
「はいはい」
と言って助手席に座る
「出発進行―!」
とか言って坂上遥
は楽しそうに運転している
…何歳なんだろう
ふと小さな疑問が浮かぶ
「ねぇ
坂上遥
あんたって…
「あ!遥でいいよ!
はるでもいいよ
あ、やっぱ遥がいい」
…ほんとに人の話
聞かない人だな