Canna*


車を降りると
歩いてでもいける
海が目の前にあった


なんか脱力感


「わぁ―


近場…」


「や

違くて
もっとなんか
ロマンチックな素敵な
所に連れてくつもり
だったんだけど…


よく考えたら

引っ越してきたばかりで
そういう場所知らなくて


とりあえず近場だけど
落ちつける場所といったら
ここくらいしか」


「うん、

まあいいんじゃない」




「棒読みになってますが」


海の方から吹いてくる春風が
暖かくて気持ちいい


遥の方を見ると
少し不安そうな顔をして
私を見てる


なんだかその様子が
面白くて思わず笑みがこぼれてしまう



「いい息抜きになった

ありがとう」


そう言うと遥は
不安そうな顔から
嬉しそうな顔に変わる

…いや

どや顔に近いかも



「よかった」

遥がそう言って笑う

「そう言えば


一つ神流ちゃんに
あげたいものがあるんだけど…」





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