Canna*



「ふんっ!」


私は遥から顔を
そむける


自分でも何で
すねてるのかよく分からない




もう、ここまできたら
ただの意地だ




「…神流ちゃ―ん


怒らないで―



丘の上すごい綺麗に
サクラさいてたよ?」


「丘の上に咲いてるのは


アンズの花だけど」



私がそう言うと
遥は驚いた顔をする



「サクラじゃないの?!


お花見と言ったら
サクラなのに!!!!」



「ば―か」


「だからばかって
言ったほうが


「カバなんでしょ」



むかつくから先に
いってやった



「神流ちゃんどや顔に
なってますよ―」



「なってない」


「分かった」


遥が急に何かをひらめいたように立ち止まる



「神流は反抗期か」



まるで事件の真相を見つけた
探偵みたいにシリアスな顔をして言う



「…」


また遥が訳のわからない事をいう



でも案外あたってなくはないかもしれない




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