Canna*



その男の人が走っていくのを
見ながら


私はシャタ―を閉めようと手を伸ばす



入り口の前に置かれた
可愛いピンクのゼラニウムがふと目に入る



まるでふられた可哀想な私を
慰めるように私の方を向いて咲いていた





別れ、そして出逢いの季節


春、



君は突然に現れた






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