恋を、拳と共に

「祐一さ、随分となれなれしいけど、萩野さんと仲良くなったの?」

「え、言わなかったっけ。 俺たちちょっと付き合ってる」


――なんだって。



てか、俺、あんなにいろいろと苦労して、告白したっていうのに。
コイツはなんでまた、こんなに気軽に、付き合ってる、などと。

……でも、そういえば、前から祐一は、こんなヤツだった気もする。



黙ってる俺に気付いて、祐一が言った。
「なんか、茜ちゃんの話とかいろいろ相談してるうちに、意気投合しちゃって」

あっさりした説明を聞いて、俺は、
「そっか」
と一言だけ返して、ドアの窓から外を見た。
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