恋を、拳と共に

そういえばこの前、その、……告白ってのをして、
でもそのあとは、一緒に帰ったりとかもしてなかった。


どうしても、いろいろと考えすぎちゃうんだよな、俺。
誘うタイミングがつかめないなぁとか、
今日は用事があったりするかなとか。


――もしかして、祐一たちがじれったくて手助けしてくれてるんだったりして。


いや、そもそも最初のきっかけを作ってくれたのも、祐一たちだった。
自転車で二人乗りするとか、全然考え付かなかったし。


――それなら、今度は素直に話に乗ってみよう。


そう思い直したら、まだ学校に着いてもいないうちから、
俺は帰りが楽しみになってしまったのだった。
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