恋を、拳と共に
茜 13
「おはよう、茜」
「おはようー、千里。 寒いねぇ」
教室に入って、自分の席に荷物を置いていると、千里に手招きされた。
向かってみると、千里はにこにこしている。
「茜、今日の帰り、たこ焼き屋さん行くけど大丈夫?」
「うん、特に用事ないし、行けるよ」
「おっけー、了解。 進藤くんに返事しとく」
「ありがと」
そう言った時になんかひっかかった気がした。
……あ、そうだ、千里に進藤くんとのこと、聞こうとしてたんだった。
「千里って、進藤くんと仲いいの?」
「んー?」
千里はメールをしながら、曖昧な返事だけを返してくる。
「私、席に戻るついでに言ってこようか」
「ん、だいじょうぶー」
千里が言った。