恋を、拳と共に

「だって、私たち、一応付き合ってるもん」

「そっか、そーなん……っええ?」
返事しかけて気付いた。


それって、つまり。

こ、告白とかって、あったのかな。
なんでそんなにあっさりと。
ていうか千里、なんかすごいよ。


両手を口に当てて目を丸くしたまま、たっぷり30秒以上は固まってしまった私を見て、千里が言った。

「茜……。びっくりしすぎ」

「……だって……」

「とりあえず、もう先生来るから席に戻らないと」

「う、うん」

千里に笑いながら言われて、慌てて自分の席に着いた。
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