恋を、拳と共に
帰りは千里に言われて、『たこ清』のある駅前で待つことになった。
まだ千里の姿はない。
――今日は駅前で待つだけだから、迷わなくてよかった。
駅からの階段を降りたとこにある自動販売機の前でね、って、千里は言ってた。
だけど目の前を通り過ぎるのは、知らない人ばかり。
――千里の言ってた自動販売機って、ここだよね。
寒い中、駅前で待っていると、
何だかだんだん心細くなってくる。
その時だった。