恋を、拳と共に

翌朝。
電車を待っていると、後ろからどつかれた。

「おっはよーぅ、青少年!」

「ってぇ……、んだよ、祐一」

「康太くんは、昨夜はいい夢見たかなぁ? んー?」

祐一に下の方から見上げられながら、わき腹をヒジでぐりぐりされる。
痛てぇ。

夢と言えば何だか素敵に幸せな夢を見たような気もするが……、
自分でもよく判らないし上手く説明できる自信もないのでやめておく。

「別に、夢とか見ねーし」

言いながら、祐一と共に、来た電車に乗り込む。

通勤ラッシュの時間より早いので、電車はそれなりに空いている。
俺たちはいつものように、乗って来た方と反対側のドアの手すりに寄り掛かった。




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