恋を、拳と共に
「はいはい、起きますって……」
俺は目覚まし時計に返事をしてスイッチを完全に止める。
のろのろと四つん這いから正座の形になって、ベッドの上で大きく伸びをした。
――朝飯食べないと1時間目も危ういしなー。
俺はベッドから出て、着替え、階段を下りて、朝食にありつくべく、食卓へと向かった。
「おはよう、康太」
「……はよーっす」
「ほら、若者は身体が資本なんだから、ちゃんと食べなさいね」
「……」
「まーた無言でお味噌汁すすってる。いただきます、は?」
「……きやす」
俺は食べながら、仕方なく、小さい声で返す。
「はぁあ、男の子って、ほぉんと、つまんないわぁ。縦にばっかり伸びちゃって、話も遠いし。母さんやっぱりもう一人、女の子産んどくべきだったー」
朝っぱらからいつもの"男の子ってつまんない発言"をされ、俺のせいかよ……と思いつつご飯をかっこむ。
今日もごはんが旨い。
うん、ほんとは感謝してます、
母さん。