恋を、拳と共に

萩野さんは続けた。

「もしそうなら、協力してあげる! 協力、ってか、応援かな」

「お、おーえん……?」
俺はかすれた声で、オウム返しに答える。
喉が渇いていたので、さっき買ってきたスポーツドリンクを、一気に半分くらい飲んだ。

「茜って、そっち方面がからっきしダメだから……。疎いというか、鈍いというか」

「あー……そうかも」
俺は今までの藤沢を想像して、深く納得しつつ答える。

「だから、応援。せっかくのチャンスなのに、もったいないもん」

「よーし、俺も一枚かんでるから協力するよ。千里ちゃん、もしかして何か作戦あるの?」

「えっへん。実はね……」



萩野さんも、祐一同様いろいろ計画を立てていたらしく。
俺は、祐一と萩野さん両方の作戦に乗ることになった。

打ち合わせ中、また俺が赤面するような計画も聞かされたけど、
とりあえず挙動不審にならないように、各自何度か手順を確認して。


――あとは、藤沢が応援団の練習から戻ってくるのを待つだけか。


また緊張してきてスポーツドリンクの残りを飲み干してしまい、俺はまた1階まで買いに行く羽目になったのだった。

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