恋を、拳と共に


「あー、肝心の荷物。学ラン、康太のカゴに入れとくから」
進藤くんが袋ごと、秦野くんの自転車の前カゴに学ランを置く。

「お、おぅ、じゃあ萩野さんのかばん、お前が持ってって」
秦野くんも急いで前カゴから千里のかばんを出し、進藤くんに渡す。


「じゃ、康太、茜ちゃんのことちゃんと家まで送れよ」

「ほんと、二人ともごめんね。秦野くん、茜のことよろしくね」

進藤くんの自転車の後ろに横座りになって、進藤くんと千里はすごい速さで駅に向かって行ってしまった。

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