恋を、拳と共に
一章 春の嵐

茜 1


空手部なんかがあれば絶対入部したんだけど、残念ながらここの学校にはなく、悩んだ結果、身体を思いっきり動かせる陸上部に入部した。
2年生の今は、副部長だったりする。

自慢じゃないけど、いや実は自慢になっちゃうけど、私は短距離の有力選手だ。

なんていうか、10秒ちょっとで決着がつく、
一発勝負な感じが好き。
風を切ってトップを駆け抜ける爽快感が好き。

そのための基礎練習や反復練習は、全然苦にならない。



朝練を終えて、着替えて教室に行く。

今日は一時間目はホームルームだった。
学級委員が前に出て、黒板に議題を書いた。

「創立記念球技大会について」


――二週間後か。もうそんな時期だっけ。




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