恋を、拳と共に
応援団で使うために、進藤くんから学ランを借りた日。
初めて男子の自転車の後ろに乗って、更に体に腕を回すなんてことまでしてしまった。
友達となら多少はあるけど、もともと一人っ子だから兄弟でそういうこともしたことない。
秦野くんとは手すらつないだこともないのに、腕を通り越していきなり胴体着陸……じゃない、ともかく、そういうところが服越しにでも接するなんて、自分自身でも考えられないことだった。