恋を、拳と共に

強くてかっこよくて、かわいい、藤沢。


――俺は、彼女にふさわしい男に、なれるんだろうか。


藤沢が微笑んでくれるだけで嬉しかったけど。
藤沢と話せるだけで嬉しかったけど。


藤沢に危険だと感じさせるようなことをしちゃダメだ。
そして、不意打ちの拳を食らって倒れてるようじゃ、更にダメだ。


もうじき、衣装や何かの準備をした「仮装レース」の順番も来る。
午後の部の「部活対抗リレー」には、俺もバレー部で出るし。


――目の前のことをとりあえず、精一杯やろう。


今、俺にできるのはそれくらいしかない。
藤沢が頑張ってるのに、俺が足を引っ張るわけにはいかないもんな。
< 92 / 185 >

この作品をシェア

pagetop