あなたのそばで

昨日の眠りの質がよかったようで、
今日の気分はどん底からは随分よくなったように感じる。
焦燥感は消えたけど、
意味もなく寂しいのには変わりはない。



IDとパスワードを入力して、ログインする。

今夜も、私はいつもの池のほとりに、キャラを座らせた。


以前よく遊んでいた友達はみんな引退したり休止したりしているようだ。
周りにいるのは、ほとんど知らない人ばかりだ。


そんな人たちとただうわべだけの会話をするために、キーボードを叩くのも面倒だ。
昔の自分なら、毎晩飽きるまでしていたことだったけど。


最近の私は、座ったまま何時間もぼんやりと、モニターで会話ログの流れを眺めるだけになっている。
それだけでも、つかの間、寂しさを忘れられる。


――今日は、あの人、いないのかな。



< 18 / 46 >

この作品をシェア

pagetop