天使と悪魔―先生と彼女、二人の特別な事情
◆騎士道2/2◆

みずえちゃんはどうすればいいか本当に分からないようだ。

このままでは卒業があやうい。

「じゃあとりあえず思いついたままいろいろ書いてメールで送って。私が整理するから」

「じゃ、お兄にお願いするね。でも無理したらだめだよ?」

「君も無理をあまりしないようにね」

みずえちゃんは安心したのかにっこりと笑った。

不安げですがりつきたそうなみずえちゃんの表情が明るくなる。

笑ってくれる。

そんなみずえちゃんの様子を見たら自然と笑みがこぼれた。

すごく可愛いな。

そんな一面があったんだ。

今まで全然気がつかなかったけど。

みずえちゃんのために頑張らないと。

貴婦人に仕える騎士はこんな気持ちなのだろうか。
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