天使と悪魔―先生と彼女、二人の特別な事情
◆居場所3/3◆

心の中のわだかまりをすべて吐き出せる場所だった。

日記は。

それが心の支えだったから。

あまりに過激な内容に見ず知らずの人からメッセージが来ることもあった。

「何があったかは分かりませんが心配しています」

そんな類のメッセージ。

きまって女性からだった。

私はそんな優しさを求めてはいなかった。

偽りの優しさに思えてしかたがなかった。

心も体も全部開いてくれる女が欲しかった。

それなら誰でもよかった。

誰でもよいから感情をぶつけられる相手が欲しかった。
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