天使と悪魔―先生と彼女、二人の特別な事情
◆棘1/2◆

こねこは優しい言葉で私を包もうとした。

「私でよければ何でも相談にのります」

いつもいつもそんな文句でメッセージは結ばれていた。

猜疑心でいっぱいだった。

ヤマアラシのように近付くものすべてをとげとげしい言葉で刺そうとしていた。

「君はどうしてそんなに私のことを気にかけるのか?何も得なことはないはずだが」

心無い言葉を投げつけた。
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