天使と悪魔―先生と彼女、二人の特別な事情
◆小さな展望台3◆

裏山は神社になっている。

石段が延々と続く。

ようこちゃんが石段を踏むペースにあわせながら登る。

高い。

社殿は裏山の中腹にある。

縁起によると建長寺の由緒に比べればかなり新しい神社らしい。

神社の端にはさらに続く道が続いていた。

細い山道だ。

「ここまでせっかく来たから登ってみるか」

と私はようこちゃんに聞いてみた。

ようこちゃんは少しまだ息が荒いようだったがゆっくりと頷いた。




山道は予想外に急峻だった。

ようこちゃんは山道にとまどっているようで、

時々私は手を差し伸べようかと迷った。

でも手を触れてはいけないような気がした。

だからただ待っていた。


二十分も登っただろうか、

猫の額ほどの狭い空き地に小さな展望台が設えてあった。


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