俺カゴサイドストーリー
とにかく、俺はこの家族が大嫌い。



「虎宇さん、今度の三者面談、私が行きますね?」

「そんなに母親面したいんですか?」

「そんなこと…」

「来なくて結構。担任には自分で言います。それと、俺の学校から来た通知は開封しなくていいですから。直接父か俺にください」



母親面されるのがいちばんムカつく。



今までなにをしてくれた?



俺たちの気持ちなんか考えずにやりたい放題やってたくせに。



家族旅行行ったり、休日に家族ででかけたり。



俺にそんな記憶、一切ない。



だから俺はあんたを一生認めるつもりはない。



「わかりました…」

「ごちそうさま。なにかあれば内線で」

「虎宇さんっ!!いただいたケーキがあるんだけど…」

「…………どうぞ、自分たちの家族で」

「虎宇さんも家族でしょ…?」

「そう見えますか、おかしいですね。馴れ合いなら俺抜きでしてください」



今日は父親に会わずに済んだ。



それだけが唯一の救い。



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