俺カゴサイドストーリー
自室には向かわず、何もなくなった留宇の部屋に来てみた。



ベッドが置いてあった窓際に座り、途方に暮れる。



留宇がいた頃は…心のより所があったのに…。



『今日学校で先生に怒られちゃった…』

『虎宇がくれる食べ物はおいしいね!!』

『あたしは一生虎宇の味方だよ』



ねぇ、留宇…。



俺はこのままここにいたらおかしくなりそうだよ…。



ポケットから出したケータイで留宇の番号を出した。



雷さんとうまくいって欲しいのは本当。



雷さんなら留宇を守ってくれると思う。



留宇の幸せは心の底から願ってるのに…。



寂しくて辛くて…壊れてしまいそうだ…。



でもこんなこと言ったら、留宇が悲しむ。



そして家を出た自分を攻める。



だから俺は頑張らなきゃ…。



「もしもし?」

「アスカ…」

「どうしたの?」

「アスカの声聞いたら落ち着いた。大好き、アスカ」

「あたしも大好きだよ」



俺の幸せはどこを探せば見つかるかな?



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