俺カゴサイドストーリー
ってか、部屋に来るなよ。



「何か用?」

「あの…お兄ちゃんに…」

「そのお兄ちゃんやめて?虫唾が走る」

「じゃあなんて呼べば…」

「知らない。で、何?」

「ピアノを教えてもらいたくて…。学校の授業がっ!!できなくて…」



父が再婚してから一緒に暮らすようになった妹は最近留宇が通ってたお嬢様学校へ転入させられた。



今まで普通校で、自由に生きてきたツケだろ。



俺の知ったことじゃない。



「ピアノの先生に来てもらえば?」

「試験が明日なのっ!!新島の令嬢がピアノくらい引けないのは…おかしいって…それで…」



もしかして…お前もアイツの犠牲者?



あまり関わらなかったので、学校のことなんか知らない。



留宇は芸術系ではそれなりに長けていたから勉強ができなくてもよかった。



レベルについて行けてないのか…。



「あたしは愛人の娘だから…もっと頑張らないとお姉さんみたいにはなれない…」



ダメだって。



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