俺カゴサイドストーリー
それから数日、寮があるバイトをゲット。



虎宇に電話をした。



お金を払うためにやってきた虎宇と会うのは2回目。



その時の虎宇はひどく酔っていて。



『そこ、いい噂聞かないからやめた方がいい。バイトなら紹介するからヤらして?』



前は興味なんかなかったくせに。



お酒の勢いで虎宇とベッドの中。



そりゃあ住む場所提供してもらった分の恩返し的な気分で。



あたしの上にいる虎宇は苦しそうな顔でこう一言。



『女なんてみんな同じだ…。何で俺は俺なんだと思う?』



これも酔った勢い。



後日談、虎宇は覚えてないんだって。



その目が泣きそうで、辛そうで。



同じ匂いを感じてしまった。



朝に目覚めた虎宇がカワイくて。



『あたしがそばにいてあげるから。泣いていいよ?』



なぜかそう言った。



ビックリした顔の虎宇の目からポロッと涙が流れ、わけもわからないまま号泣。



この頃の虎宇はきっと精神的に疲れてたんだと思う。



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