俺カゴサイドストーリー
信じたことのない神頼み。



虎宇から来る電話をひたすら待った。



「もしもしっ!?」

「ん~とね、胃潰瘍で出血がひどいらしく、意識なかった」

「大丈夫…なの…?」

「留宇がすぐ見つけたから大丈夫だろうって。今止血してるらしい。留宇が血塗れだから部屋行って服取ってくる」



留宇には雷さんの会社の人が着いていてくれるらしく、少しだけ落ち着いた…。



留宇、どれだけ怖かっただろう…。



「虎宇、あたしも行く…」

「寝れない?」

「なんか…怖くてダメみたい…」

「じゃあタクシーで向かうから。着いたら電話する」



着替えて虎宇を待ち、一緒に向かった雷さんの部屋。



ダメだ…怖い…。



「留宇、大丈夫?」

「ダメだね。ずっと泣いてる」



あたし、話だけでも震えちゃうのに…。



留宇が泣いてる…。



虎宇が預かってきたカギで中に入ると、雷さんの吐いた血がリビングに大量にあった。



「コレ…留宇が掃除するの?あたし…やろうか?」

「いいって。そのままにしてって言ってたからまずは服」



留宇の部屋に入り、あたしが服を選んだ。



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