俺カゴサイドストーリー
あの現場を見たら心が痛い。



もし、虎宇が同じ目にあったら?



あたしは尋常じゃいられないと思う。



病院に行くと、留宇が知らない人と一緒に座っていた。



「留宇っ…」

「アスカ…」

「ホント、ヤバいね。着替えよう。雷さんには虎宇がいてくれる」

「ん…」



着替えるために借りた空いてた診察室。



パジャマのままだったんだね…。



「アスカ…あたし…」

「うん、大丈夫。留宇が信じないでどうするの?」

「雷さんっ…具合悪かったのに気づけなくてねっ、あたし奥さんなのに…情けないね…」



滝のような涙。



パジャマを脱いで下着姿の留宇をそのまま抱きしめた。



「偉かったよ、すぐ救急車呼んだの」

「んっ…」

「雷さんが留宇を残して死ぬわけないし。怖かったね」

「怖かったっ…死んじゃうって思って…アスカっ…」



しばらく泣いた留宇がやっと着替え終わり、虎宇の待つ待合室へ。



涙がやっと止まった…。



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