俺カゴサイドストーリー
虎宇と家に帰ったのは明け方だった。



あたしもやっとホッとした…。



「ありがとう、アスカ」

「なにが…?」

「留宇、アスカと話してから落ち着いたみたいだった。ありがとう…」

「あたしは何もしてないから…」

「俺も正直ビビった…。なんだかんだ言って、雷さんのこと好きだしさ」

「そうだね」



なかなか眠れず、ずっと虎宇と話していた。



バイトが休みだったのが救い。



やっと眠れたのは、完全に明るくなってから。



手を繋ぎ、お互いの存在を確かめるように眠った。



「あっ、雷さんのお見舞い行かなきゃね」

「今日はムリだって、留宇が言ってた。留宇も帰ったみたいでメール来てたから」

「そうだよね、落ち着いてからの方がいいか」

「雷さんってさ、みんなの兄貴みたいだな」

「確かに!!何であんなに慕われるのかな?」

「人がいいから、あの人。姉御肌ならぬ兄貴肌」



とにかく無事でよかった…。



少し経ったらお見舞いに行こう。



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