俺カゴサイドストーリー
これ見よがしに礼奈を家まで送り、礼奈の父親に挨拶をした。



帰りの道で買った適当な指輪を嬉しそうに抱える礼奈。



「虎宇様と正式に婚約します」

「そうか!!礼奈が虎宇君を好きならそれがいちばんいいからね」

「礼奈、幸せ!!では、今日は楽しかったです、虎宇様」



ニッコリ微笑んだ礼奈に俺も笑う。



ちゃんとやってくれてるじゃん。



後は俺の仕事だ。



「礼奈、また離れるのは寂しいけど…連絡するから」

「はい、待ってます」



どっからどう見てもいい感じだと思う。



よし、あの人のとこに行くかな…。



向かった会社は最近頻繁に呼ばれる。



どうやら優秀に育てあげた息子を自慢したいらしいから。



父との仲は全くよくないんだけど。



「礼奈と正式に婚約しましたのでご報告です」

「そうか、お嬢さんの機嫌を損ねて破談になんかするなよ」

「あなたとは違うのでそんなヘマはしませんよ」

「お前は相変わらず憎たらしい口を叩く」



そりゃそうでしょ。



俺はあんたが大嫌い。



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