俺カゴサイドストーリー
帰ってもあのままの状態じゃないことを祈りながらきっちり8時間働いた。



働かなきゃ食べていけないし。



家出した身で親には頼れない。



だからあたしは自分で稼がなきゃ。



バイトを終え、恐る恐る部屋を開けたらパソコンがそのままテーブルに置いてあった。



虎宇の姿がないけど…。



あっちから連絡があるまで待機がいいと思う。



ひとりの部屋で、着替えて夜ご飯。



シャワーを浴び、髪を乾かそうと思ったら虎宇がやってきた。



スーツ姿なんて珍しい…。



「腹が…減って死ぬ…」

「まさかあれから食べてないの!?」

「食ってない…。コーヒー飲んだ」



昨日のお昼から食べずに今まで頑張ってたみたい…。



おにぎりを作って虎宇に出したらすごい勢いで食べ始めて。



「気分は天国。1時間寝るから絶対起こせ」

「わかった…」



そう言った虎宇はパタリと横になり、1分経たずに寝息が聞こえた。



相当お疲れです…。



< 6 / 80 >

この作品をシェア

pagetop