俺カゴサイドストーリー
それから5日経った。



アスカからの連絡はなくて、何も手につかなくなって来て…。



こんなに連絡を取らずにいるのは初めて…。



「虎宇~、学食いくぞ~」

「食欲ない…」

「風邪か?早くしねぇとAランチなくなる!!」

「みんなで行ってきな」

「マジで平気?具合悪いなら保健室行けよ?」

「うん、ありがとう、カズ」



俺だってね、そんなに気が長いタイプじゃないんだよ。



もう限界なんだから。



具合がよくないといい、転校して初めての早退。



やってきたアスカのバイト先。



「虎宇っ…」

「いい加減反抗するのやめなよ。聞き分けのないコは…嫌いだよ」

「ヤダっ…」

「ならどうするの?別れたいの?婚約者のことなんて初めからわかってたことでしょ」

「ごめ…なさい…」

「部屋で待ってるよ」



涙目で頷いたアスカがやっぱり愛おしいと思うのは、どうにもならない感情。



好きで好きで仕方ないんだよ。



頑張ってもやめるなんて無理だから。



いつか…幸せにしてあげたいと心から思う。



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