俺カゴサイドストーリー
元カレなんてロクなのいなかったし。



まず、男が好きじゃないのは血の繋がらない兄のせい。



あたしを友達に売ろうとしたり、稼いで来いと言って風俗に沈められそうになったり。



見て見ぬ振りの実の母に嫌気がさしてグレてから家出して現在に至る。



虎宇にはそんな危険さを感じないし、虎宇の柔らかい雰囲気がフワッとあたしを包んでくれる。



虎宇のとこは居心地がよすぎて抜け出したくないのかもしれない。



「虎宇以外とか、たぶん一生いらないかな?」

「そこまでいい男じゃないよ」

「あたしがいいんだからいいの」

「そっか。ならいいや。アスカといるの、心地いいから他になんて気持ちが向かない」



同じだね。



あたしと虎宇が求めてるものって、たぶん似てるんだ。



「虎宇も大学生だね~」

「大学なんか今更行ってどうなるって話だけど。ひとり暮らしさせてもらえるように説得しよう」



ひとり暮らし…?



ソレって…虎宇の部屋に行けるって意味じゃん!!



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