虹色の恋い

そして今日は待ちに待った
週1回のあの日。

楽しみで楽しみで
しかたないくらいの日

でもすでに時計は
閉店時間10分前―……

「もう、今日は来ないのかな…」

時計を何回もみて
ついつい呟いてしまった。

なに考えてるんだろ……
ただのお客さんなのに
いつこなくなったって
おかしくないのに……

私はむしゃくしゃしながらも
普段なら閉店間近になれば
人がいないかぎりは
閉店している
だけど今日は時間ギリギリまで閉店はしなかった

それでもカチカチと
時計の針はうごいていき…

「あと1分か・・・・」

もういい加減諦めよう
そうおもい外の札を
'閉店'に変えようと
外にでようとしたその時だった・・・

「はぁっ…、はぁっ、間に合ったっ…」

「石井さん!?…」


思ってもいなかった、
諦めていた矢先に起こったことに
嬉しさもありながらも
驚きもあった…

「黄色バラ、ですか?」

驚きながらも平然を装い
いつものように
黄色バラのあるケースへ
足を向かわせた

「今日は、違うんです…。
今日は、赤いバラください」


「赤、ですか?・・・」

不思議に思いながらも
赤いバラをとり
いつものように石井さんへ渡す。

でも今日はなにかが違った。

< 15 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop