First Love.初恋の魔法
「河原、寄りたい所ある?」
伊藤くんはあたしのゆっくりな歩調に合わせながら歩いてくれた。
「特にないよ!」
胡桃に気を遣ったのか、あたしが仙道くんを苦手な事を悟ったのか分からないけど
伊藤くんは別行動をしよう、と胡桃に持ちかけてくれた。
もちろん仙道くんと2人きりになりたい胡桃はOKを出して、今に至ってる訳!
‥―プルルルルル
「はいはい。あ?居る。同じクラスの河原里紗。いいけど。分かった。」
電話?誰からだったのかな?
「電話、姉貴から。」
あたしの心を読んだかのように平然と答える伊藤くん