First Love.初恋の魔法
寝ている俺等をスルーして
電気を消して二階へ登った。
安堵の息を洩らす。
河原は起きる様子はちっともなくてすやすや寝ていた。
暗闇で目が冴えてきた。
イタズラ心が芽生え、頬っぺたをつついた。
すると顔をしかめ、
「ん、んぅ‥」と寝言を言う
ついつい面白くて
何回もやってしまう。
柔らかい頬っぺたをつつくと寝言なのか、「りゅうすけくん」と呟いた。
一瞬ドキッとしたが
普段伊藤くんと呼ぶ河原だから。俺じゃないと確信した。
にしても河原の言う“りゅうすけくん”は誰なんだろう?
無意識に河原の頭を撫でていた。