First Love.初恋の魔法
学校に着くと伊藤くんは
もう来ていてなんだか
とても眠そうだった。
伊藤くんも、なのかな?
って心のどこかで期待して、
みんなの知らない伊藤くんを
知れた気がしてなんとも言えない優越感に浸っていた。
「あ、おはよう」
伊藤くんがあたしに気付いて
挨拶してくれた。
普段女子と話さない伊藤くんと
話してると思うと
すごく不思議な気持ちになる。
「お、おはよお‥」
昨日とのギャップがあり、
なんとなくぎこちない挨拶になる
というか、なんとなく
照れくさかった。
顔をあげてニヤついてるのがバレるのが嫌で、俯いたまま話した。