さくらんぼ〜天と地の絆〜
「今から3ヶ月後にあるダンス大会に優勝すること。もし優勝しなければ…」
カイトの目の前を一匹の小鳥が通った。
するとカイトはパチリ!と、指を鳴らしたその時、小鳥は炎の中に包まれ、たちまち燃え尽きた。
空から小鳥の骨がカラカラと、落ちてきた。
私はぞっとして半歩後ろに下がった。
「まさか…。」
「そう。絵馬の魂はこのように消滅する!!」
なんなの…?

これは現実なの…?

「さぁ…どうする。」
「ちょっと待ってよ!!」
私はできるだけ大きな声を出した。
「いきなりそんな事いわれたってそんなの分かるわけないでしょ!!
だいたいなんなの?!さっきから死に神とか魂とか!!
いきなりダンス大会に出ろって言われて、そんなの無理に決まってるでしょ!!
それに!!私はダンスをやめたの!!
いや!!やめなきゃいけない…。」
私はふいに言葉がとぎれた。
絵馬の顔が頭にうかんだからだ。
「リカ…絶対に大会で優勝してダンサーになろう…。」
練習の後、絵馬は毎日言っていた。
しかし絵馬は病気で大会には出られなくなってしまった。
「リカは大会に出て!!
私は病気が治ったらまた出るから。」
絵馬は髪の毛がなくなった姿で笑顔でそう言った。

絵馬は分かっていたのだ…。

もう自分は大会には出られないこと…。

自分はもうすぐ死んでししまうこと…。

なのに…私はその時言ってしまった。

「もう…疲れちゃった」
< 5 / 12 >

この作品をシェア

pagetop