ノイズ
コミュニティサイトを使って、自分のような未成年の女の子を平気で呼び出すような男だ。


安心させるような笑顔とは裏腹に、脳内ではホテルに連れ込むシュミレーションでもしているのだろう。


隙を見せたら最後、獣の本性を表わして襲い掛かってくるに違いない。


「エリカちゃんさぁ……もしかして家出した?」



アキラの言葉に美咲は一瞬だけピクリと反応した。


「…はぁ?家出なわけないじゃん。これから友達の所に行くんですけどぉ~」



「ほんとうに?」



男は疑うような眼差しで美咲の顔をジッと見つめた。


「ウザいなぁ。家出じゃないってば!」



もし家出だと言ったら、ホテルにでも連れて行くつもりだろうか。


美咲はいつでも逃げられるように、ボストンバッグを自分の手元に引き寄せた。


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