ノイズ
「お客様どうかされましたか?」



グラスの割れる音を聞き付けてきたのだろう。


店員が二人のテーブルにやって来た。


「ちょっと妹の具合が悪いみたいなんですよ。早く帰って休ませたいんで、お勘定お願いします」



「わかりました」



頷く店員にアキラは紙幣を渡し、レシートとお釣りを受け取った。


「さぁエリカ。お兄ちゃんと一緒に家に帰ろう」



「…や…め…て…」



唇も麻痺したようで上手く喋れない。


美咲は引きずられるままに居酒屋の外に出た。


国道沿いに一台のワゴン車が停まっているのが見える。


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