ノイズ
ようやく研究室までたどり着いた沢村は、ドアが少し開いていることに気が付いた。


一瞬迷ったが、有栖川教授の単位だけは落としたくない。


不在ならレポートだけ置いてくればいいのだからと、沢村はドアを開けた。



「教授いますか……?」



部屋の中は薄暗く、人の気配が全く感じられなかった。


レポートだけ置いて帰ることにするか。



しかし、こう暗くては何も見えない。


沢村は壁伝いに電灯のスイッチを探した。


カチッ。


スイッチが押され、電灯が室内を明るく照らし出す。


「あっ……!」

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