ノイズ
正面入口を出ると、右側に遊歩道へと通じる小道がある。


スクールバッグを下ろして、額に浮かんだ汗をハンカチで拭きながら歩く。


両脇に芝生が敷き詰められた小道をしばらく行くと、横断歩道に出た。


信号がチカチカと点滅を繰り返した後で黄色へと変わる。


仕方なく青になるまで信号待ちをしていると、道路の反対側に人が立っているのが見えた。


真っ直ぐ立ってこちらを見つめている少女は、自分と同じ制服に身を包んでいる。



まさか。



少女の顔を見るなり可奈は大声で叫んだ。



「さ、沙織!」



間違いない。沙織だ。


信号が青になるのももどかしく、可奈は横断歩道を渡った。



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