ノイズ
「…なんだか体がだるくて…」






霊に憑依されると、体力が激しく消耗するって何かの本に書いてあったっけ。







沙織の顔色は見るからに悪いし、一人で歩けそうもない。






可奈はその場にしゃがんで、沙織に自分の背中におぶさるように促した。






「体調悪いんでしょ?おんぶしてあげる」







「…そんなの悪いよ…」






沙織はかぶりを振った。






「沙織は気にしなくていいの。ほら、いいから遠慮しない」






沙織はコクンと頷くと、可奈の背中に身体を預けた。






あれ?何か冷たい……?





背中におぶった沙織の身体は妙に冷たかった。




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